真言密教の「真言」とは?

 これまで、お大師さまのご生涯やご功績を辿ってまいりました。では、お大師さまがもたらされた教えの核心、「真言密教」の「真言(しんごん)」とは、一体何なのでしょうか。「お経とは違うの?」と感じる方も多いかもしれません。今回は、その神秘的な力と意味に迫ります。

仏様と直接つながる「真実の言葉」


 「真言」とは、一言でいえば「仏様の真実の言葉」そのものです。古代インドで用いられた神聖な言語、サンスクリット語の「マントラ」を、意味を翻訳せず、音をそのまま写したもので、その一音一音に宇宙の真理と仏様の力が宿っているとされています。

なぜ、翻訳しないのでしょうか。

 それは、真言が仏様の悟りの境地そのものを表す「音」であり、私たちの日常の言葉では到底表現しきれない、神聖な響きを持っているからです。無理に翻訳すると、その本来の力が失われてしまうと考えられているのです。

 真言は、いわば「特定の仏様と直接つながるためのホットライン」のようなもの。私たちが真言を唱えるとき、その響きは時空を超え、仏様の世界に届きます。そして、仏様はすぐさま私たちに応え、その大いなる力で私たちを導き、守ってくださるのです。

〔代表的な真言に触れてみよう〕

真言には数多くの種類があり、それぞれにご利益があります。ここでは代表的なものを二つご紹介します。

===光明真言(こうみょうしんごん)===

「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん」

 これは「すべての災いを取り除く最強の真言」とも言われ、宗派を問わず広く唱えられています。この真言を唱える者は、宇宙の根源である大日如来の智慧の光に包まれ、あらゆる罪や苦しみから解放されるとされています。ご先祖様や亡くなった方へのご供養としても、絶大な功徳があります。

===御宝号(ごほうごう)===

「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」

 これまでもご紹介してきた、お大師さまと一体になるための最も身近な真言です。不安な時、道に迷った時、この御宝号を唱えれば、お大師さまが「同行二人」として、いつでもそばで力になってくださいます。

日常の中に、仏様の力を

 真言は、特別な修行者だけのものではありません。心を落ち着けたい時、誰かのために祈りたい時、感謝を伝えたい時。どうぞ、小さな声で、あるいは心の中で唱えてみてください。

 仏様の真実の言葉は、私たちの日常に安らぎと、前へ進むための力強いエネルギーを与えてくれることでしょう。


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